オリコのオートローンを金利を他社ローンと比較してみた
クレジットカードでおなじみのオリコこと「オリエントコーポレーション」では、自動車ローンの取り扱いもあるのをご存知ですか?
オートバックスやロータスクラブと提携をしているマイカーローンが、このオリコのオートローンなんです。(ここで言うオートは、自動車という意味です)
このページではオリコのオートローンについて、
・金利が公表されていないワケ
・銀行のマイカーローンとの比較
・メリットやデメリット
といったことを分析し、その良し悪しを辛口解説していきます。
ローンでの車購入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください!
オリコってどんな会社?
オレンジと白の丸いマークでお馴染みの「Orico」は略称であり、正式名称を『株式会社オリエントコーポレーション』といいます。(以下、オリコ)
東京都千代田区に本社を構える、大手の信販会社です。
(信販会社…商品代金などの立替えを行い、購入者に料金をあとから請求する業務を行う会社)
・ショッピングクレジット
・オートローン
・クレジットカード
といった金融商品の業務がメインであり、中でもオートローンは業界トップのシェア率を誇っています。
(オリコの公式サイトによれば、年間150万人以上が利用しているとのこと)
オリコのオートローンの利用者が多い一番の理由は、カー用品店や中古車販売店などとの密接な関係があるから。
オリコは全国で約18万店舗の販売店と提携を結び、約30年間に渡って安定した業績をあげています。
どうしてもクレカのイメージが強いですが、車を買う際のローン先としても、安全な会社だと言えますね。
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オリコのオートローンが使える店
『非正規ディーラーやカー用品店で結ぶマイカーローンといえばオリコのオートローン』
そう言っても過言ではないくらい、オリコのオートローンは圧倒的なシェア率を誇っています。
年間150万人以上の利用者がいるのには、提携先が非常に多いという理由がありました。
くりかえしになりますが、公式サイトによればオリコの提携先は、全国で約18万店舗以上。
以下のような組織と提携を結んでいるため、幅広く、車の購入に対応できます。
JU(日本中古自動車販売商工組合連合会)
…中古車販売店の全国ネットワーク
ONIX(オニキス)
…全メーカーの新車中古車を扱うコンサルティングカーディーラー
YANASE(ヤナセ)
…メルセデス・ベンツ、BMW、AUDIといったプレミアム輸入車を取り扱うディーラー
株式会社オートバックスセブン
…カー用品や車検、車の購入まで、車に関するすべてをサポートしてくれるお店
ロータスクラブ(全日本ロータスクラブ同友会)
…自動車整備業者による全国組織。車の購入・車検・整備・板金など車のトータルサービスを提供
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オリコのオートローンは4パターン
オリコはオートローンとして、4パターンの商品を提供しています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ニューバジェットローン
「自由払い型オートローン」とも表現されているこのニューバジェットローンは、ライフスタイルによって支払金額を自由に変えることができるのが特徴です。
全部で5つの返済パターンが用意されており、変更はWEBもしくは電話で簡単に行うことができます。
ニューバジェットローンは4パターンの中ではもっともスタンダードなので、このあと詳しく解説します。
オリコオートリース
(オリコ公式サイトより)
リースの名のとおり、月々定額で一定期間、車を借りて使用する方法です。
車体価格はもちろん、マイカーとしての登録にかかる諸費用、自動車保険、自賠責保険、各種税金などを追加で払う必要はなし。
最初に決められた定額を毎月払うだけでOKです。
年間を通して、車に関する支払いに変動が出ないため、支払い計画を立てやすいのが特徴と言えます。
残価設定型オートローン
(オリコ公式サイトより)
毎月の返済額を軽減させたい人に適しているのが、この残価設定型オートローンです。
推定下取り価格を差し引いた車両価格を分割して毎月返済していくため、月々の返済負担を大きく減らすことができます。
ツインリセットオートローン
(オリコ公式サイトより)
今現在乗っている車のローンが完済していなくても、新しい車のローンを契約することができる画期的なローンです。
新規購入者寮代金と下取り車の残債をまとめて1つのローン契約にできるため、自分の好きなタイミングでいつでも乗換えることができます。
さて、
以上の4パターンのオートローンのなかで、オリコ側が一番おすすめしているのがニューバジェットローンであることが、公式サイトから読み取れます。
支払途中でも、
・月々の支払額の変更
・支払期間の延長短縮
・一部繰り上げ返済
などができるその自由度の高さがニューバジェットローン最大の特徴です。
このあと、オリコのオートローンに対する理解をさらに深めるために、銀行マイカーローンとの比較を行っていきます。
その際は、オリコ一番のおすすめ商品であり、かつ利用者も最も多い『ニューバジェットローン』を比較対象とします。
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オリコの公式サイトに金利が書いていない理由
オリコのオートローンの金利は、公式サイトに一切明記されていません。
「よくある質問」の欄や、取り扱いのある販売店のHPなど、どこを探しても具体的なパーセンテージが書かれていないのです。
ローンを検討するうえで最も重要な金利の情報が記載されていないのは、どうしてなのでしょうか……?
その理由のひとつには、「オリコの審査によって具体的な金利が決まるから」というのも、もちろんあります。
でもそれなら、「〇%~〇%」というように、金利の範囲だけでも示してほしいところですよね。
オリコがそれをしていない、いや、できない理由は、オリコが決めた金利に、申込窓口となっている提携のお店が、自分たちの利益分の金利(マージン)を上乗せするからなんです!
言い換えれば、お店がオリコの代わりにローン申込みの受付をし、その手数料を私たちが払うということ。
なので最終的な確定金利は、オリコのオートローンを取り扱うお店に行って、担当者に聞かないとわかりません。
オリコが金利を公開してしまうと、お店が提示した金利との差が明確になり、どれだけマージンが上乗せされているかが分かってしまいます。
それはお店にとっては不都合なことであり、提携しているオリコは空気を読んで、金利は非公開にしているわけなんですね。
となれば具体的な金利は、実際にオリコのオートローンを使って車を購入した人の口コミなどから判断するしかありません。
調査してみると、以下のように大体の目安がわかってきました。
オリコのオートローンの種類 | 口コミから判断される金利 |
---|---|
ニューバジェットローン | 10%前後 |
オリコオートリース | 8%前後 |
残価設定型オートローン | 8%~10% |
ツインセットオートローン |
8%前後 |
銀行のマイカーローンの平均金利は2〜3%前後と言われており、安いものだと1%台のものも存在します。
上の表の数字はあくまでも推測、傾向になりますが、オリコのオートローンの金利が高めであることはわかりますね。
(新車の購入であれば高額な取引となるので、もう少し金利が低くなる可能性がありますが、それでも銀行マイカーローンには及ばないでしょう)
こうした事情からネット上では、
「オリコのオートローンで毎月いくら払っています。金利は何%になりますか?」
「オリコのローンで車を買ったが、この金利は妥当なのか」
といった質問が多く見られます。
自動車ローンの比較サイトを運営する者として申し上げたいのは、金利を知らずにローン契約をするのは、とても危険だということです。
金利が妥当かどうかは、支払いが始まる前に判断、相談してほしいと思います。
筆者が特に気になったのは、ヤフー知恵袋で見つけた「オリコ自動車ローンを借り換えしたい」という投稿。
その内容を短くまとめると、
・ガリバーで10%近い金利のオリコのローンで車を買ってしまった
・審査が不安というわけではなく、特典や本体の値引きに釣られてしまった
・今までは高くても3%代の金利だったのに、こんなに高金利とは思わなかった
・ちゃんと金利を確認しなかった自分が悪いが、できれば借り換えしたい
といったものです。
ディーラーは、提携しているオリコのオートローンやグループ会社のクレジットサービスなど、自分たちの利益となるディーラーローンを契約してもらおうと、以下のような文句で勧誘してきます。
「カーナビをプレゼントします!」
「好きなオプションサービスを選んでください!」
「本体価格をお値引きできます!」
これらは詐欺ではなく正当なセールスなので、決して問題であるとは言いません。
でも、本当に買い手側に利益があるか、慎重に検討してほしいです。
早まって契約してしまうと、上記の投稿のように後悔し、余計な手間や費用、心配が発生してしまいかねません。
どんな契約にも言えることですが、必ず、納得して判を押すようにしてください。
ちなみに、上記の投稿者が希望している借り換えは、三菱UFJ銀行のマイカーローンなどを利用すれば可能となります。
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ニューバジェットローンを銀行マイカーローンと比較
金利の話がおわったので続いては、オリコ公式サイトで挙げられているニューバジェットローンの特長を、銀行マイカーローンと比較してみます。
果たして、ニューバジェットローンのおすすめポイントは、銀行マイカーローンでは実現できない特別なメリットと言えるのでしょうか?
【特長1】ライフスタイルに合わせて支払いパターンを選べる
【特長2】契約後でも支払額や支払回数を自由に変更できる
【特長4】返済期間延長により毎月の返済額を減らせる
⇒ 確かに、このような柔軟性は、オリコのニューバジェットローンの特長と言えます。
しかし、金利の低い銀行マイカーローンを利用すれば、最初から毎月の負担は抑えめになるので、そもそも支払いパターンを変更する必要性が生じない可能性も高いです。
また、最近では銀行マイカーローンも柔軟性を身につけていて、たとえば人気の高いしずぎんマイカーローンは、上記の特長を満たすことができる銀行マイカーローンです。
ニューバジェットローンを選んだ人にとっては便利な特長ではあるものの、直接ニューバジェットローンを選ぶ理由とまではならないでしょう。
【特長3】スポット返済(一部繰上返済)ができるので、返済期間短縮が可能
⇒ 繰り上げ返済ができるマイカーローンは、オリコのオートローンだけの特長とは言えません。
上記で紹介したしずぎんマイカーローンのように、手数料無料で繰り上げ返済ができる銀行マイカーローンは複数存在します。
オリコのニューバジェットローンも繰り上げ返済事務手数料はかかりませんが、オリコ側が指定してきた銀行口座への振込が必要。
その際の振込手数料は自己負担です。
銀行マイカーローンではインターネット振込で振込手数料も無料になるものが多いため、この点においては銀行マイカーローンの方が優れていると言えるでしょう。
【特長5】翌月分の支払をスキップできる
⇒ ニューバジェットローンには、金利のみを払えば翌月の返済をスキップできる、スキップ返済があります。
臨時で出費が重なった時などにも安心のサービスです。
このサービスを申請すればいつでもできるというのは、数あるマイカーローンの中でも珍しいと言えるでしょう。
ただ、金利だけを払っているということは元金の返済は全く進まないということになり、トータルで払う利息負担が膨らむという意味であることを忘れないようにしましょう。
なお、銀行マイカーローンでも“リスケジュール”という名前で、一時的に返済をスキップすることができる商品があります。
事前に担当者に連絡して認めてもらえれば、緊急措置として対応してもらえるでしょう。
ここまでの比較で分かるように、オリコがアピールしているニューバジェットローンの特長は、“ニューバジェットローンならでは”のものとは言えません。
一般的な銀行マイカーローンでも実現可能であり、それなら低金利なぶん、銀行マイカーローンのほうがお得と言えるのではないでしょうか。
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ニューバジェットローンを選ぶメリット
ここまでオリコのローンの実態について分析してきましたが、では逆に、銀行ローンではなくオリコのニューバジェットローンを選ぶメリットはあるのでしょうか?
考えられるものを3点、挙げてみます。
・オートローン契約書を記入するだけでOK
・自動車販売店を通じて申し込めるので、事前に書類の準備も不要
・審査がスピーディーで入金も早いため、納車までの時間が短い
一言でいえば、「カンタンで早い」のがメリットです。
オリコのオートローンなら、提携している自動車販売店で、購入書類と同時にローン申込書を記入できます。
銀行への申し込みや書類提出の手間が省け、審査結果も1時間かからずに回答が出る、スピーディーな対応がウリです。
金利の低い銀行マイカーローンほど審査は厳しくないので、若者には頼りになる存在かも知れませんね。
ここに、特典やオプションサービス、担当者の熱なんかが加わったら、勢いに乗って契約してしまう人がいても不思議じゃないです。
ただ、
筆者が釘を刺しておきたいのは、オリコのオートローンのメリットは、『申し込み時に集中している』ということ。
そのメリットを重視する人であれば問題ありませんが、入り口の光に目がくらんで安易に足を踏み入れると、先ほどのように、契約してから不満や悩みがでてくる可能性もあります。
長く付き合っていくローン商品。
申し込み時の手軽さだけで選ぶのはやはり、得策ではありません。
契約内容もしっかり確認して「申し込み時のメリット」と「返済時のメリット」を天秤にかけ、納得のいく結論をだすようにしましょう。
少なくとも、勧められたローンを他の商品と比較せずに契約してしまうのは、とても危険です!
比較して初めてわかるメリット、デメリットを、判断材料として上手に活かしてくださいね。
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オリコのオートローンのまとめ
今回の解説でわかったオリコのオートローンの特徴は以下の3点となります。
・オリコのオートローンは販売店と提携しているので手続きがカンタン
・でも販売店へのマージンが発生するため金利が高く、明確な記載もない
・低金利で手続きもカンタンになりつつある銀行マイカーローンの方がオススメな場合も
申し込み時の簡単さというメリットこそありますが、金利面では銀行マイカーローンに大きく劣ることがわかりました。
最後にもういちど申し上げますが、
簡単に契約できるからという安易な理由だけで高額なローン契約を結ばず、“ローンの内容をしっかりと把握・比較し、無理なく返済していけるか見極めて”納得のいくローン契約を結びましょう!